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最果ての地で

みなみしまばら市の秘境、空照洞穴(別名:行基洞)

以前ブログで紹介した、西有家八十八ヶ所霊場の第四十四番札所であるその洞窟は、八十八ヶ所巡りの衰退によって忘れ去られた場所となってしまいました。

今回は、その神秘的な場所を皆様に知っていただこうと思い、この空照洞穴について書こうと思います。

八十八ヶ所巡りは、今から約25年程前に無くなってしまいました。

盛んだった頃はマイクロバスを貸し切り、白装束を着た行者さん達が2日間かけて巡っていたそうです。現在でも、灘地区の方が旧暦の21日に毎月一番札所である太子堂でお参りをされていますので、ご興味のある方は一度訪れて見てください。

その方達に話を伺っても、正確な場所の説明は難しく「一切経の滝」から獣道を下り、ある場所を右に登る。また、別の方は大きな岩が登る場所の入り口だと教えていただき、探し出すのには、本当に色々な方のお力をお借りしました。

今回、ブログ用に写真を撮り直そうと一人そのお堂を目指しましたが先日の台風の影響で倒木が激しく、全く道がわかりにくい状況に変化しておりました。

一切経の滝に到着すると、ある場所から獣道に入ります。その先は本当に危険な場所が多くありますので、入り口の写真などは伏せさせていただきたいと思います。

道なき道を約20分程。(上記写真のような)その途中には、一切経の滝から流れる川があり、その流れが本当に美しくぼーっと何も考えない休憩を幾度か挟みながら向かいます。

 

その後、あるポイントから斜面を右側に登るのですが、前記した目標物の「大きな岩」というのは非常にわかりにくい為、向かわれる方は注意が必要です。

急な傾斜を登ること約15分程。

巨大な岩壁の中に突如、異界への入り口に続く階段が現れます。

(是非拡大してご覧ください。)

作られたのは何百年前か。全ての段に苔が生え、岩場には木の根が張り巡らされています。この日は山全体に少しだけ靄がかかりその神秘性がより際立って見えました。

昔の人はどのような思いで、この洞窟への階段を作ったのだろうと。そう考えながら、一段づつ登っていきます。

午前中の優しい光が、洞窟の上に空いた穴から差し込み、普段は真っ暗なお洞が明るく爽やかな雰囲気がありました。

何メートルあるのか、かなり高い天井と大人が何人も入れる空間。本当に自然にできたとは思えない場所です。

お洞の奥には、お大師様と雲仙の開祖でこの洞窟の名前にもなっている、空照さん(行基)の像が祀られています。また、この空間とは別に、空照さんが修行の際に寝ていたという部屋もあり、その場所にもお地蔵様が3体収められております。

(光を受けたお大師様の像)

静寂という言葉が本当に似合う空間。水滴の落ちる音と、風の音以外は何も聞こえません。

今から何年前か、

空照さんは一人、この最果ての地で何を思い日々を過ごされていたのだろう。

洞窟から外を眺めると、季節だけがその時の流れを教えてくれたのではないでしょうか。

そんな場所が、みなみしまばらには有ります。

 

 

フロンティアへの誘い

南島原には、まだまだ人があまり踏み入っていない場所があります。以前投稿した「油地蔵」や「三連の滝」などもそれに当たります。

今回は、以前「油地蔵」を紹介していただいた方からの情報をもとに、南島原市の山奥にあるという、巨大な石が積み上げられている場所を探しに向かいました。一人では非常に危険な為、お世話になっている床屋さんと一緒にフロンティア探しに向かいました。

山奥にあるとある神社から、深い山に入っていきます。途中倒木などが多く、車では進めなくなった為、1km程歩いて登ると写真のような苔むした場所が現れはじめます。とても長い時間をかけて作られたアートみたいで、自然っていいなと感じます。

個人的には、この斜めな感じの石(なんという石かわかりませんが・・・。)に苔が生えてるかのがグッときます。

放置されっぱなしの山道を進むこと15分程、遠くに・・・。なにやら巨大なタワーのようなものが、、2人でかなり興奮しながらズンズンと森の中へ入っていきます。

目算ですが、ゆうに30m以上の高さがある石のタワーに向けて、進んでいきます。ところどころに巨大な石がゴロゴロし始めるのですが、写真ではわかりにくい為、床屋さんと比較写真をいくつか撮らせていただきました。

かなり遠くにあるのですが、近くに感じるほど大きい石。一番上にある石は絶妙なバランスで乗っているように見えます。地震とかきたらコロンと落ちそうな雰囲気。でもこんなに大きい石が崩れたらと考えると、めちゃくちゃ怖いです。。

ようやく、その石の土台までたどり着きました。一番下になっている石は非常に広く、そこから2〜3段石が積み上げられています。どうしても登ってみたくなりましたので、なんとか回り込めないかと、さらに急な山道を登ります。

近くで見るとやっぱり怖いくらいなバランスで乗っかっています。できるだけ慎重に。。脇を通りようやくたどり着いた一番上の岩。

何度も言って申し訳ないですが、とっても大きい!!!この角度から見ると手前の木に支えられてる様にも見えます。下から見るより明らかに大きく、ちょっと神秘的です。御神体になってもおかしくないなあと思ったり。

さらに近づきます。

どんな感じに乗ってるのかなと。

こんだけ!!!???あんなにでかい石がわずかこれだけしか乗ってない!横で支えてる木の役割大事ですね。個人的には、八十八ヶ所巡りをしていますので、この場所にお大師様を祀って、南島原秘境のお大師様ポイントの一つに加えたい!30mもの積み石の下にあるお大師様・・・ご利益あります。

また、この辺りにはこの様な巨大な岩が点在しており、とってもパワーあふれる場所です。長い時間をかけて大きな岩になった後、また長い時間をかけてゆっくりと圧力がかかり、亀裂が入り、崩れ、何千年もかけて今の景色を作っているのだと考えると、自然の力の素晴らしさと、美しさを感じます。

おそらくこの大きな岩も、元は1つの大きな岩だったんだろうと思います。それが途方も無く長い時間をかけてゆっくりと割れ、この様な不思議な景色を生み出しているんでしょうね。

まだまだフロンティアだらけのみなみしまばら。これからも冒険は続きます!!