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秋山登山のススメ

久しぶりにブログを書きました!

空の高さが、いよいよ本格的な秋の感じになってきました。去年の秋はまだとても暑かったと記憶していますが、なんか今年寒くなるのが早い気がします。

本日は、地元の美しい山に登ろう!ということで、先日小田原さんと行きました雲仙岳のことを書きたいと思います。もうすでに有名な山で、最近は観光客の方も沢山いらっしゃってます。

多くの方が、雲仙岳の名峰「普賢岳」に登られるのですが、今回は私の好きな「国見岳」をご紹介します。地元の方でも登られたことの無いという人もいるのでは無いでしょうか。

 

もっとも簡単なルートは、まずロープウェイで妙見岳へ。久しぶりにロープウェイに乗りましたが、なかなか楽しいですね。徒歩で登ると30分の行程もロープウェイなら3分。ものすごく便利。ロープウェイから眺める景色も美しいのでオススメです。

こんな感じで。岩壁がとても悠々しくて爽快な気分になります。

妙見岳から、妙見神社を通り国見別れに進みます。

登山道は比較的歩きやすく木々もさほど高く無い為、海までの景色がとても綺麗に見えます。雲仙は日本で唯一の「紅葉樹林帯」を有する紅葉の名所。シーズンになると多くの人で賑わいますが、個人的には紅葉真っ只中より、今くらいの季節の方が、山としては好きなんです。夏の名残の緑と、ススキの穂、そして紅葉し始めた樹木とのコントラストは本当に美しいと感じます。

ちょっと話はそれますが、私は地元に戻る前に「Timtam」という山岳学校で登山の勉強をしていました。松浦さんという山の神様のような方に教えていただく日本ならではの山岳技術は、芸術に近いものがあります。冬山でのアイゼンの使用方法。ロープワークで怪我人を救出する方法や、ピッケルの使い方。ロッククライミングの基礎など、山に詳しい先輩方に着いて色々な山に登らせていただきました。

印象的だった山というか、山小屋は福島県にある「黒金小屋」安達太良山に登る際の拠点になる小屋なのです。写真はこちら。

写真中央にあるのがそれです。この小屋、とっても人気が高く予約するのはなかなか大変。その理由は天然温泉!!雪山の小屋にお風呂があることでさえ珍しいのに、温泉とは本当に天国です。

登山が好きな人は一度訪れてみては。(この小屋で、島原半島一周マラソンを一緒に走った小針さんは酔っ払いすぎて指を怪我するという災難に見舞われました)

かなり話はそれてしまいましたが、私は登山が好きなのです。

そんな私のオススメの「国見岳」一番の特徴は鎖場。山肌にむき出しになった岩場を登るのですが、ここからの景色がとっても綺麗なんです。

この写真は、小田原さん撮影ですが、本当に美しい。こんな景色があるという事。知らない人は損しています。この鎖場をすぎたら国見岳の頂上です。

山頂はあまり広くはありませんが、そこからの景色は格別。

もう福岡まで見えてるんじゃ無いかと思うほどの綺麗さ。疲れも吹き飛びます。そして一番の見所は山頂からの・・・。

平成新山ですね。手前の山は普賢岳の山頂なので、いかに平成新山が大きいかわかります。平成新山は少し離れた位置から見るのがオススメですが、その中でも国見岳山頂は穴場の一つです。ちなみに、九千部岳の山頂からが一番綺麗という人もいます。また、たくさん山に登りましたが、山頂から海がこんなに見える場所は出会ったことがありません。

今回は、ある撮影のロケハンという形で国見岳に登りました。とても風が気持ちの良い日でした。

間も無く秋も本番。雲仙の景色も日に日に変わっています。久しぶりに登山に出かけられてはいかがでしょうか。とっても清々しい気持ちにきっとなりますよ!!

では、次のブログでお会いしましょう!!

帰郷のきっかけとなった事

まだ私が東京にいた頃。

ほぼ毎日のように飲みに行っていた、元同僚の小針さん。今は、得意の中国語と英語を活かした国際的な仕事をしているらしい。本当によく2人で飲みに行っていた事を思い出します。

そんなある日、どこの飲み屋さんだったか覚えていないのだが、地元の為になる仕事がしたいと、小針さんと相談していました。

「小田さんの地元ってどんなとこなの?九州行った事なくて」

そんな風に小針さんに言われたのをきっかけに、南島原へ遊びに行こうと言うことになりました。でも、ただ単純に遊びに行っても面白くないので何かやろうと言うことになり。何が良いかと考えていたところ。

西有家小学校在学中の嫌な思い出「島原半島一周マラソン」

の話をしてしまい、実際に走ったらどのくらいで走れるのか試そう!と言うことに酔った勢いで決めました。

その日から、私は自転車トレーニングと、ランニング。小針さんは長時間走り続ける体を作り、いよいよ島原半島へ。

AM5:00

南島原消防署前をスタート。私は自転車でのサポート。ランナーは小針さん。目標は11時間以内でのゴールを掲げました。

途中、歌を歌ったり、のんびりと話をしたりしながらあっとゆうまに加津佐まで走り、夜明けを迎えました。

この時点ですごいなーと感じていたのが、小針さんの走るペース。とても100kmをこのペースで走るとは思えない、通常のスピードよりもかなり早いものでした。

それにしても、この半島の朝日の美しさは格別。本当に美しい。

加津佐を過ぎても一度も休憩を挟まず、順調に南串のロックシェッドへ。今回の危険ポイントの1番にあげていたところでした。後ろから迫ってくるトラックの音や、車の音が本当に恐ろしかったのを覚えています。

実を言うと、この島原半島100kmを走るとFBで発表した時に、当時は面識のなかった、池田製麺工場の池田さんから

「同じ日に100kmマラソンを走る人がいるよ。」

と、メッセンジャーが。その人が、現在一緒にラジオでお世話になっている、Mr,サイコの小田原さん。本当に偶然同じ日を計画していました。私たちペアはAM5:00スタート。小田原さん達はPM20:00スタート。何やら運命を感じる。

その小田原さんと、スタート前に色々なアドバイスをいただき、事前に危険ポイントを知っていた為、このロックシェッドも十分な準備をすることができました。本当にありがたかったです。

そして、いよいよ半島の西側へ・・・。

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ノスタルジック南島原

世間はお盆休みに入り、南島原にも帰省している方達の賑やかな声が聞こえてきています。

私は幼馴染が今年は帰省しないということで、その家のご両親と一緒にお酒を楽しみながらのおやすみスタート。私が近頃、南島原をうろうろとしているということをご存知だったようで、南有馬にある地蔵群を紹介していただきました。

とても気になり翌日即出発。

南有馬、古園にある「古園地蔵群」明治の頃に行われた廃仏毀釈によって、首を落とされてこの地域に埋められていた物が道路工事の際に掘り起こされ、地域の人によってこのように祀られています。全てのお地蔵さまの首に補修された跡がありちょっと痛々しい印象もありますが、お堂の中はとても綺麗にされており、地域信仰の深さを感じます。

詳しくは、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)を調べていただければと思いますが、このように立派に掘られているお地蔵様を破壊し土に埋めるという。。ちょっと今では考えられない事が行われていたのです。

また、この地蔵堂の周りはとても長閑な風景が広がり本当に散歩するだけで心が癒されます。もし南島原ロングトレイルを企画したとするならば、絶対にコースに入れようと思います。ただ、今回写真を撮るのを忘れるという凡ミス・・・。次回、必ず撮影しようと思います。

そして、この地蔵堂から少し登った所に、南島原の文化遺産があるのです。あんまり知られていないのが勿体無いので、紹介したいと思います。

「南有馬宝篋印塔群」きちんとした南島原の文化遺産で、本当に綺麗に残っています。

この宝篋印塔は、民家の中庭の先にあるため全く表からは見る事ができません。とても綺麗に管理されておりますが、こちらのご主人は「足が悪いので、きちんと管理することも限界」とおっしゃっていました。早めに対策を考えないと、いずれその姿を見る事はできなくなってしまいます。

そして、今回のメインイベント「原城歴史民俗資料館」への潜入です。

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西有家新四国八十八ヶ所霊場・番外編(空照立像・一夜大師)

7月も終わりに近づき、「西有家新四国八十八ヶ所霊場」の秘境、一夜大師と空照立像の探索に向かいました。

場所はなんとなく分かっていたのですが、連日の雨のお陰でなかなか山に入ることが出来ず、結局7月の最終週となってしまいました。

空照立像や一夜大師、行かれたことありますか?高岩山登山道の途中から獣道に入り、500m程見岳方面へ降りてゆきます。

雨のせいか、かなり道は荒れています。こちらは空照立像・足元には「昭和八年 見岳名中」と刻まれております。昭和八年にどんな方達がどうやって運んで来られたのか、その当時を知る方はおそらくもうおられないと思うのですが、どうやって作られたか、知っている人がいたら、直接お話を伺って見たいとなと思っています。

この付近は、人が定期的に来られているのか草なども刈り取られなんとなく管理が行き届いている印象がありました。

お顔は、結構現代風なんだなーと、こういう像はほとんど髪の毛の表現がないのですが、空照立像さんは坊主。なんかかっこいいです。そして手に持っている杖が新しい。やっぱり誰かちゃんと管理されているんですね。

こちらが、像の下に刻まれた文字。下の方が苔に覆われていて読めませんでした。

この立像より、少し上に戻ったところに、分かりにくいですが、分岐があります。赤いテープとブルーのテープが混在しているデボ部分を見失わないように歩いてください。

しばらく歩くと、とても巨大な岩が。。多分これが「びわ口」と呼ばれるところだと思います。この岩の下に一夜大師が収められている!早速近づいてみると、右側が思いっきり大雨の影響で崩れてしまっていて非常に危険。ゆっくり近づいている途中、私の後ろから

「わーー!すごーーい!」

と、妻の声。

みなさん、何がすごいか分かりますか?↓この写真

これに気がついた人は、お大師様巡りをやりなさいということです。

では正解を。

 

実は、私は勝手に一夜大師と普通のお大師さまの像の大きさが同じくらいかと思っていまして、岩の割れ目から見えた時は、本当にびっくりしました。私の写真の腕が悪いので、その大きさがあまり分かりにくいと思いますが、この岩。ものすごく大きいのです!(ぜひ行ってください)

こちらが、以前ご紹介した空照洞穴と並んで西有家町の秘境と呼ばれる一夜大師像です。その昔、見岳の方がセメントと砂を担いで空照さんと共に山に登り、一夜の内に完成させた弘法大師の像です。

一夜で完成させる昔の人の根性・技術には本当に驚かされます。この一夜大師のお顔は、ちょっと目が可愛い感じで、個人的には非常に親近感が湧きました。(ちょっと片眉が上がっている感じが素敵です。)

「ふみしめて、のぼる御山の岩大師、慈悲の利益を残します」

と書かれた札が一緒に収められています。

高岩山という山は、宝原から簡単に登ることができ、遠足や簡単な山登りの場所として地元の方に親しまれている山です。

今回の登山のように、昔の人の考えや信仰に触れて登る高岩山は、また違った顔をみることが出来ます。一度お大師さまにお会いすることを目的に登って見られるのも良いかもしれません。

私は、東京にいる際、正月から雪山に登ったり岩登りをしたり、とても山が好きでした。その中で学んだことは、昔の人が歩いた登山道には必ず意味があるということです。それが、生活の為か信仰の為かというのは置いておいて、必ず意味があるという所が大事だと思っています。

インターネットなどの情報がなかった時代の人は、今の人よりもはるかに沢山の事を知っています。一人一人がしっかりとした道の意味を知っていたからこそ、地元を知り、伝える事が出来たのではないでしょうか。

今回の一夜大師・空照立像の訪問で「西有家新四国八十八ヶ所霊場」に関係する全てを回る事が出来ました。その道のりの中で、出会った人、見た事や聞いた事、その一つ一つの事柄が八十八ヶ所霊場巡りの持つ意味なのだと思いました。

 

 

誰も知らない産業遺産

先日のこと

「西有家八十八ヶ所霊場」の写真を1番札所から撮影し直すことにしました。土曜日はとても日差しが強く、全身から汗が吹き出してしまい、熱中症になるのではないかと思うほど。。

よく晴れた日で、熊本まで綺麗に見える日でした。西有家八十八ヶ所霊場の六番札所(下八田付近)の撮影をして車に戻る途中に近くで作業をしているおばあさんに話しかけられました。

「鬼塚さんでしょ?」と。「いえ小田です」

みたいな感じで始まったと記憶しています。このおばあちゃんは西有家八十八ヶ所六番札所を管理しておられる方で、ちょうど花を変えたところだったので、写真を撮ってもらえて嬉しいとおっしゃっていました。そんなおばあちゃんの背後に「製糸工場」という看板が見えたので、「糸屋さんなのですか?」と話しかけてみると、

「今はもうやってないけど、昔は糸の工場をやっていたよ」

「機械は当時のまま残ってるから、見ていく?」

と中へ誘っていただいきました。とっても興味があったので、

是非!!

という感じで着いて行くと、想像をはるかに超えた世界が。。。

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